雨が降ってきた。
「雨のときのカジノドライヴ産駒は強い」
誰に聞かせるわけでもなくつぶやく。
自分にとって都合のいいデータを集める。信じる。
競馬予想ってそんな作業だ。結局は、信じたものを信じるしかない。そのために、信じたいためのデータを信じる。
帝王賞の本命はカジノフォンテンにした。
いつ以来だろう、帝王賞の前日オッズで南関東の馬が一番人気になったのは。
今の時点では二番人気となってしまったが、それでも差のない二番人気。
南関東競馬ファンとしては、やはり負けてもらいたくない。
京成盃グランドマイラーズにかしわ記念。どちらも着差以上に強い勝ち方。戦いやすさでいえばむしろ大井2000mの方が適している。
雨のときのカジノドライヴ産駒だ。
あとは先団につけて抜け出すだけ。
帝王賞を勝って、ダート王を確定させる。
対抗ミューチャリー。
帝王賞での南関東勢ワンツーが見えた前走大井記念での勝ちっぷり。
交流G1ではあと一歩というレース続きであるが、勝つときの鮮やかさはどの馬にも負けない。
大人になったからか、間隔を詰めて走らせても大丈夫に。いや、末脚を爆発させるためには詰めた方がより良いのかもしれない。
弾けたときの脚はJRA勢にだって負けない。
鮮やかに突き抜けろ、ミューチャリー。
もちろん、JRA勢だって強力だ。
大井2000mマイスターオメガパフューム、ドバイでも2着に入ったチュウワウィザード、勢いに乗るオーヴェルニュなどなど。
それでも、南関東競馬好きとしては見てみたいのだ。南関東生え抜きの2頭が帝王賞でワンツーを決めるところを。
そして、信じたいのだ。大井記念のゴール前、これなら帝王賞でカジノフォンテンとミューチャリーのワンツーで決まると感じた直感を。
6月も今日が最後。もう今年も半分が終わったことになる。
雨の日のように見通しにくい世の中。それでも、月日だけは過ぎていく。
こんな時代だ。
上半期最後に、夢を見たっていいだろう。