群雄割拠。そんな言葉が似合うダート競馬。
今年のダートG1級競走はすべて勝ち馬が異なるのだから、そうなるのだろう。
ここにルヴァンスレーヴがいて、エピカリスの脚元が良ければどうなっていたか。そんなことも夢想しながら、チャンピオンズカップの予想に入る。
○クリソベリル
▲オメガパフューム
△チュウワウィザード
☆ミツバ
押さえインティ
大前提として、今年のみやこS組は買いたくないというのがある。どハイペースになってしっちゃかめっちゃかになってしまったのだから。
敢えて評価するなら前にいてある程度頑張ったワイドファラオだろうけど、後方勢のプレッシャーは前走の比ではない。
むしろ何もなかった馬を、と思ったけど、いないんだよね。ウェスタールンドは動きすぎてしまった感があるし。
そのみやこSで逃げ争いをしたインティ。59キロを背負い、どハイペースな展開で主導権を握れなかったうえに、外から来られてずるっと下がったと、敗因はわかる。
ただ、それでも負けすぎ。ケイムホーム産駒は調子いいときは快進撃を見せるが、一度リズムが狂うと立て直すのに時間がかかることが多い。
思えば帝王賞、距離が長いとはいえ6着。力は認めるので押さえに入れないといけないが、どうなんだろう。
そのインティがおそらく逃げるだろうとして、隣がクリソベリル。5連勝中の3歳馬。チャンピオンになるならインティをマークして捕まえに動く位置にいるだろうし、そうしなければならない立場でもある。
そうなると、中盤も緩まないラップになるはず。チャンピオンを決めるにふさわしいタフなレース。
ならば、最後に問われるのは底力。
クリソベリルがインティを潰しとなると、その後ろで底力がある馬を本線にとるのがいい。
そこで、ゴールドドリーム。言わずと知れた2年前のこのレース勝ち馬。
前走南部杯では3着であったが、当時は球節炎明けもあって状態は今一つであった。その証拠に前走の最終追い切りの時計が55秒1。調教で動く同馬にとってはあまりにも遅いものであった。今回は50秒9と、大幅に改善。本調子に戻ったといっていい。
歴戦の強者としのぎを削り、チャンピオンズカップを勝ってからは大崩れしていない実績、底力はこのメンバーでも一番。再びチャンピオンとなる。
5戦5勝。成長著しい3歳馬のクリソベリル。クリソライトの全弟という良血、馬体の雄大さからは、とんでもない大物になる可能性も感じる。
例年チャンピオンズカップは12月に行われることから3歳馬は負担重量が11月より1キロ増(古馬と2キロ減から1キロ減になる)となるが、今年は開催前日が11月ということで、2キロ減のまま。その恩恵は大きい。
不安視されているのは時計面。確かにジャパンダートダービーは過去10年で最も遅いものであった。遅くなった原因は最終コーナーから直線に入る残り600~400mのところでがくんと緩くなったから(例年12秒半ば~13秒前半が、今年は13秒8)。そこで緩くしたからとはいえ、大井の2000mで上りを12秒5→12秒3と加速して走り切ったのだから、レベルが低いわけではない。
今回インティを捕まえないといけないうえに、他の馬の追撃を凌がなければいけない立場であるが、連勝を伸ばせば世界も見えてくる。
前走JBCクラシックでは交わしたと思ったが首の上げ下げで2着となったオメガパフューム。やや不器用で左回りになると追いにくくなる同馬にとって、小回りで左回りの浦和コースで接戦を演じたのは、収穫の多い一戦といえる。
国営の砂で1800mに短縮で左回り。不安要素はあるが、直線が伸びる点はプラス。それに、馬体に実が入った今、そして鞍上が世界のデットーリなら、まとめて交わすこともあり得る(デットーリもこのために呼ばれたようなものだから)。
いまだに崩れたことがないチュウワウィザード。インパクトとに乏しいという声はあるが、前走凌ぎ切った勝負根性は一流のそれであった。
キングカメハメハに、ルヴァンスレーヴと同じファンシミン牝系という奥深い血統。G1連勝でダートチャンピオンの座を確定させる画も見える。
タフなレースになったらミツバも。今年の川崎記念を勝ったとき、寄られながら割って先頭になったように、混戦でこそ力を発揮する。うまく内側に潜り込めれば。
ゴールドドリーム、クリソベリルの父はゴールドアリュール。オメガパフュームの母の父はゴールドアリュール。
乃木坂競馬部部長の名刺をもらったことがある人なら知っているかもしれないけど、なのださんが好きな種牡馬はゴールドアリュール。
そんなゴールドアリュールの血が入っている馬で上位を独占してもらいたい。
早いもので12月。忘年会のシーズンですね。
アルチューなりに頑張ろうと思います。